ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

ガンカンジャーの決断。

10月の半ばから現在に至るまで、ガンカンジャーとなってから2回目の入院をしている。 吞みすぎたわけでもないのに特定の言葉のロレツがまわらず、いつもより少しだけふらつくような気がしたので主治医に相談をした。すぐにMRIを撮り、眉をひそめて画像をチェ…

オーバー・フェンス。

先日、調子がよかったので、もう何年ぶりなのかもわからないくらい久しぶりに連れ合いと二人で新宿まで映画を観に行った。映画のタイトルは『オーバー・フェンス』。大好きな作家、佐藤泰志の小説を原作とした映画で、この作品が映画化されることを知ってか…

闘病戦隊ガンカンジャー。

秘密にしていたのだけれど、闘病戦隊ガンカンジャーとなってから、もうちょっとで3ヶ月になる。せっかく幼少期からずっとあこがれていた戦隊モノの主人公になることができたのに(決して望んだわけではなく、あくまでもそれは晴天の霹靂な変身だったのだけれ…

ありのすさび。

とつぜんな展開なのだけれど、実は闘病生活をはじめて約一ヶ月くらいになる。 現在、入院しながらの治療をつづけているところなのだけれど、薬の副作用もあって、ご飯がぜんぜんおいしくない。というよりも、見たくもないし、嗅ぎたくもないというくらいにう…

障害のある人が働くということ。

少し前に、千葉県の市川市で「障害のある人が働くということ。それぞれの現場で感じること」というテーマでお話をさせていただく機会を得た。あれこれ考えた末、古書肆スクラムという取り組みをはじめてからの一年間についてお話させていただくことでこのテ…

日常と不在を見つめて。

どうも体調がわるい。ことしは厄年(本厄)で、しらべてみると体力低下やホルモンバランスの変化で体調を崩しやすくなるらしい。信じるとか信じないとかいうよりも、ちょうど人生も折り返し地点に入ったことを考えると、たしかにそういうこともあるのかもし…

尾崎一雄の癖。

この時期になると、持病のぜんそくがひどい。寒さと乾燥と花粉にやられる。朝からゲホゲホ、昼間もゲホゲホ、夜中もゲホゲホ、身体の休まる暇がない。そこへもってきて古本のホコリがまた悪い。黒っぽい本は特に悪い。職場でゲホゲホ、書斎でゲホゲホ、業者…

ムーミンとスイッチ。

インフルエンザで幼稚園をお休みしている末っ子と一緒に『楽しいムーミン一家』を観ていたら、じぶんのスイッチが入りっぱなしになっていたことに気づいた。海のように広いムーミンママの言葉に心をつかまれながら、エネルギーのむだづかいを悔やむ。 ムーミ…

じぶんの持ち場。

まいにち本ばかり読んでいて、あたまでっかちにならないのかと訊かれることがあるけれど、たぶんなっているとおもう。少なくとも、思弁的な枠組みと他力本願につくった仕事上の仕組みがぶっこわれて、じぶんもぶっこわれそうになったあの日までは。 どちらか…

ピート・ハミルな夜。

あれこれ考えすぎて眠れない夜がある。 頭を冷やすといい、という話を聞いたことがあったのを思い出し、冷凍庫からアイスノンを取り出す。朝までぐっすり眠れるようにと祈るような気持ちで明かりを消す。一時間後、冷えた頭であいかわらずあれこれ考えている…

好きなものを見つける。

息子が野球をはじめて、ちょうど4ヶ月になる。親に似てダラダラとした生活を好む子だったのだけれど、野球をはじめてからは、いくぶんまともなリズムで生活を送れるようになった。 じぶんから「どうしてもやりたい」と頼んできただけあって、早朝からの練習…

生活のなかの鶴見俊輔。

道に迷ったときや、自らを振り返ってみるとき、ぼくは鶴見俊輔さんの文章をよく読み返す。じぶんが何者で、なんのために、なにをしようとしていたのかわからなくなると、書棚から引っぱり出す。その頻度は、少なくない。生活のなかには、いつも鶴見俊輔さん…

山田稔さんのこと。

きょうも暑い。とにかく暑い日が続いているけれど、家にいるときは熱中症にならないように気をつけながら、できるだけクーラーはつけずに過ごす。なんのためというわけでもなく、ただのケチ根性だけで実践している。 自然の風だけが頼りなのに、窓際に置いた…

古書肆スクラムのこと。

この日記を書くのも、ずいぶんと久しぶりになってしまった。暑さと忙しさと怠けグセのせいで、ほぼ1ヶ月くらいあいてしまったのかな。なので、ここのところなんとなく消化不良。読むほうはグイグイ読みまくっているので、そのぶん書かないとうまく消化できな…

いちべついらい。

少し前に、詩人・田村隆一の妻、田村和子さんをスケッチした、「いちべついらい 」(橋口幸子 著)という本が夏葉社から出ると知り、今か今かと心待ちにしていた。 いまから4年くらい前に読んだ、詩人・北村太郎のことを描いた「珈琲とエクレアと詩人」(201…

だらだらと本を読む。

日曜日。いつもよりゆっくりめに起きて珈琲を淹れ、パジャマのまま、だらだらと好きな本を開く。 昨日の夜から読みはじめた荻原魚雷さんの新刊『書生の処世』(2015年6月 本の雑誌社)を読み終え、ふと時計を見ると昼になっている。もうこんな時間かとおもい…

うちのめされる読書。

日中は暑さを感じる日が多くなったけれど、日が沈むとまだ肌寒い。掛け布団の調整がむずかしく、汗ばんだり、寒さで夜中に目が覚めたりと、睡眠が安定しない。それでも体調はすこぶるよく、身も心も平和な日が続いている。そういうときは、読書がはかどる。 …

善悪の彼岸へ。

目にも止まらぬスピードで日本が走っているのに、不思議なくらい世の中は静かなような気がする。静かすぎてこわい。こういう場所でこういうことを云うのは得意じゃないのだけれど、「戦える国づくり」に向かって急ピッチで国のトップが独走しているのに、世…

絶望のガム。

ガムと呼ばれる絶望を踏んだ。植え込みの周りにならぶ大きな石や、縁石の角など、あちらこちらで払拭を試みてはみたけれど、まったくだめだった。道端にしゃがみこんで、木の枝でほじくってもみたけれど、ぜんぜんとれない。やればやるほどに気が重くなる。 …

忘れられた巨人。

きょうは母の日。でかけている連れ合いが帰ってくる前に、子どもたちを中心とした定番のカレーづくりをした。おいしい、おいしい、と喜んで食べる母親の姿に、子どもたちは満足の笑みを浮かべながら、皮むきやアク取りなど調理の過程を声高々に説明する。ど…

出発地点。

いつも変わらぬご支援ありがとうございます。 おかげさまで、REDY FOR?(クラウドファンディング)で募っていた支援金の目標金額に到達することができました。これもひとえに皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。 ですが、これからが本番です。…

九勝六敗。

きょうは休日出勤をしたあとで、午後から末っ子さんとぶらぶら散歩をした。彼女と散歩をしていると、普段なら全く気にもとめないような、見過ごしてしまいがちな小さなあれこれにピントが合わせられる。それは、土筆であったり、かたちのよい石であったり、…

東京ベンチと今のこと。

いまさらな話になってしまうけれど、東京ベンチの閉店について少し書いておきたいとおもう。お会いした方や身近な人には話してきたのだけれど、それをどこでどう伝えるべきなのかよくわからなかったし、その勇気もなかったので等閑になっていたから。でも、…

多謝。

新規事業の立上げも含め、あれこれ考えなくてはいけないことが多すぎて、ここのところあまり本が読めていない。読めても、短くて平易なものをつまむようにして、というのが精一杯。時間がないわけではないのだけれど(時間がなくても読書はするので)、なん…

ちいさな街のつなぎの場。

現在、REDY FORで「障がい者の就労・自立支援、つなぎの場として古本屋を開きたい!」と題したクラウドファンディングを開始しました。 https://readyfor.jp/projects/koshoshi-scrum ちょっと長くなるけれど、あいおい文庫にはじまり、東京ベンチを経て(ぜ…

洲之内徹と救済。

感冒のせいで、ひどく咳がでる。だいぶん落ちついてきたとおもったら、またひどくなった。咳はつかれる。頭にもひびくし、あちこちの筋肉にもひびく。まさに全力疾走といった感じで、くたくたになる。こういうときは、おとなしく家で本でも読んで、ごろごろ…

ストーナー。

ふと振り返って人生について考えてみるとき、仕事と恋愛の占める割合、その比重がじぶんにとって決して小さくないことに気づく。それが溺レルほど夢中になって向き合うような対象であればあるほど、比重はどんどん増大する。 柄にもないことを云うようだけれ…

理想の生活。

今朝つくったおかゆの出来が、なかなかよかった。水と火の加減がよかったのかもしれない。うちで食べている福島のお米は冷えてもおいしいのだけれど、おかゆにしてもおいしいことがわかった。これなら体調に関係なく、普段おかゆを食べる習慣はないけれど、…

ハチドリのひとしずく。

人生というのは、なかなかスマートにはいかないものだなとつくづくおもう。 やっとのことで手に入れたかのようにおもえたものも、掌で掬った砂のように、さらさらと指のあいだから零れおちていく。 それでも、いくらかは残る。 零れていく砂をあわてて掬おう…

ふつうの妥協点。

ずっとやめていた煙草をまた吸うようになった。もったいない、とよく言われるけれど、ぼくにしてみれば休煙していたこの6年間のほうがもったいなかったとおもう。 煙草そのものをガマンするのはなんでもないことなのだけれど、煙草を吸わないことでガマンせ…