ほっとけない。
とにかく、ほっとけない。
ほっときゃいいのに、ほっとけない。
それでも、最近はずいぶんとほっとけるようになった。
ぐっとガンバって「関係ないじゃん」とほっておく。
でも、ぶすぶすと心の奥の方でくすぶる。
自分にもできることはなにかないかと探す。
それはいい。
問題なのは、毒をまき散らす人、毒を盛って歩く人。
ひとの心をざらつかせる人。
ほっとけばいいのに、のっかってしまう。
ばかだよなあ。
ぼくの中にある雑念にも惑わされて、ほっとけない。
期待、思惑、傲慢、偏見……
ほっとけない。
ほっておくというのは、大したこと。
大事な場面であればあるほど、ほっとけない。
けっきょくは、自分に負けちゃうってことか。
強い自分でありたい…とは思わないけれど、もう少しほっとける自分ではありたい。
百鬼園せんせいの随筆を読んでいると笑える。
おいおい、どうしようもないなあ…なんて。
せんせい、ほったらかしのことが多すぎるのでは?
でも、ぼくに必要なのは、せんせいの大らかさ。
せんせいの随筆「麗らかや」を読む。
笑える。
どうしようもないよなあ。
でも、ホントに素敵な人だなあ。
ほったらかしなのに、ほっとけないひとだ。
よし、ほっとこう。
大事なものは分かってる。
大切な人もいる。
帰るべき場所もある。
ほっとこう。
うん、ほっとこう。
イヤダカラ、イヤダ。
- 作者: 内田百けん
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