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ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

書斎のこと。

読書をするには書斎が一番かというと、実はそうでもない。四方八方に積まれた本がどうしても視界に入り、あれこれ手にとってみたい衝動にかられて落ち着かなくなるのだ。読書のための場所というよりも、もっぱら日記をつけたりブログを書いたりするために書斎を使っている。


ぼくの書斎は二階の北向き八畳で、大きな窓が北と東にもついている。この季節になると北向きの窓からは木々が身を寄せ合って青々としているのがよく見え、大変気持ちがよい。夏には花火がよく見えるし、窓を開けると風がよく通り、ぼくにとっても本たちにとっても最高の書斎だと云える。この部屋でひねもすぼんやりと過ごすことは至福のときに違いないのだけれど、あんまりここに籠ってしまうと連れ合いからお小言をいただく羽目になるため、家の空気のバランスを読みつつ加減している。


ぼくにとって書斎での一番の楽しみといったら、本の整理とパラフィンがけと読む本の選定になるだろうか。地味にこういう作業をこつこつやっていると、たいていのつまらないことなどは忘れて没頭することができる。ぼくはあまりストレスをためこんだりするようなタイプではないのだけれど、それでも生きていればイヤなことがあったりションボリするような出来事に遭うことがある。あまり多くは望まない生き方をしているつもりでも、やはりどこかで何かを望んでいて、腹を立てることもあれば泪を流すこともある。いつも笑ってばかりいるというわけにはいかないから、書斎に籠って作業をしたり週末の大好きな草野球をすることで、澱んだ気持ちの流れを濾過するようにしている。雨の日には書斎で本をいじり、天気のよい日にはグラウンドでボールを追いかける。今のこの生活が自分にとってはとてもバランスがよく、自分という者の置かれているこの漠とした世界において大変に居心地がよい。


名立たる文筆家たちが書斎について書いたものをまとめた『日本の名随筆 別巻6/書斎(谷沢永一 編)作品社』などを読むと、それぞれの想いやこだわりっぷりが面白い。中には「こだわらないというこだわり」をもっている方もいて面白い。どうやら書斎の主それぞれの生き方というものは、そのまま書斎に反映されてしまうようだ。谷沢さんの言葉を借りれば、つまるところ、書斎は主の体型に即した穴蔵なのである。


今、穴蔵でこのブログを書きながら、乱雑に積まれた本たちを眺めている…