ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

読む人生。

ここのところ、本をぽんぽん買わなくなった。
いや、もちろん買ってはいる。買ってはいるのだけれど、買い方が変わってきたのだ。
《買いたい》ではなく《読みたい》が先にくるようになった。「そんなの当然だよ」と言われてしまうかもしれないが、これまでは買いたいから読みたかった…いや、それは違うか。積んでおきたいから買いたかった…いやいや、それも違う。いずれ読むために買って積んでおきたかった?本に囲まれていると幸せだから?改めて考えてみると何がなんだかよく分からない。とにかく、読みたいから読みたいものを買うようになったのだ…ん?これまでもそうだったような…。


仕事上、どうしても「老い」や「死」についてよく考える。
自分の《老後》や《死に様》についてイメージし、そこから《生き方》を考えてみる。よく死ぬためにどう生きるか、よく生きるために自分にとって大切なものや人生において重要なものってなんだろう?と考えてみると、まずは「命」がくる。寿命には全くこだわっていないのだけれど、命は大切にしなくてはならない。せっかくの命なのだから、それを大切にして楽しんで幸せに生きることは当然のこと。それこそがこの世の中に生まれてきた意味そのものであると勝手に思っている。次に大切なものは家族。いちいち説明するまでもなく、家族はかけがえのない宝である。そしてその次に思い浮かぶものは何なのかというと、本と読書なのである。本と読書は、ぼくの人生の《ベスト3》にランクインするくらい重要なポジションを占めているのだ。それが良いか悪いかは別として…。


生きている間に読める本の数なんてたかが知れている。
いくつまで生きるつもりなのか、どのくらいのペースで読むつもりなのかについては内緒だけれど、ざっと計算してみたら一万冊にも満たなかった。下手をすればグッと減る。いずれにしても、一生かかったって家にある本を読みきれないことは自明の理。そんなことは言わずもがなで買い続けてきたのだけれど、ふと立ち止まって考えてみたら淋しさがこみ上げてきた。どどーんと目の前にうず高く積まれているにも関わらず一生読まれることのない本たちが不憫だし、自分自身なんだか悔しい。
まあ、こんなことをくよくよ考えて本が買えなくなるのも淋しいことなのだけれど、人生も折り返し地点、そろそろ《読む人生》にスイッチしていきたいと思う。