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ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

絵本という鍵。

休みの日には、たいてい子どもたちを連れて本屋さんへ行く。それはもう当たり前のことになっていて、ぼくが「行くよ」といえば「本屋さんだー」となる。
行きつけの本屋さんには子ども用の小さなイスがいくつか用意されていて、子どもたちは当たり前にその小さなイスへ腰をかけ、てんでに絵本を選んで読みはじめる。しばらくはほうっておくのだけれど、だんだんと気になってきておせっかいをしたくなる。

「こんなのどう?」と子どもにオススメの絵本を見せると、めんどうくさそうにソッポを向く。絵本をプレゼントすればそれはそれで喜んでくれるのだけれど、本屋さんの中では自分たちが主役なのだと雰囲気で語る。そう、もうすでに自分で本を選ぶという楽しみを幼いながらもちゃんと知っているのだ。自分で選んだ本を満足気にゆったりと読んでいる姿には妙な貫禄がある。どっしり構えたその小さなオシリに根っこが生えてきて、テコでも動かなくなってしまうのが玉に瑕なのだけれど。

ボクがぼくになる前から一緒に過ごしてきた忘れえぬ絵本もあれば、子どものための温もり探しをしていて出逢った絵本もある。
大人が子どもに絵本を贈るということ、それは子どもへの愛情を表現する一つの手段でもある。こうして受けた愛情は、身体と心の深いところに沁みこみ、思い出の中にぎゅっと詰まって残る。大人がその機会をきちんと与えてさえあげられれば、きっと子どもは絵本を大事に思うようになるだろう。子どもの「大事」は、思い出の中で「信頼」にかわる。そのようにして生まれた信頼こそが、豊かな永遠を紡いでいく足がかりになるのだ。


絵本は鍵。その鍵で思い出の箱を開ければ、そこには確かな愛情が詰まっている。

のろまなローラー(こどものとも絵本)

のろまなローラー(こどものとも絵本)