出会いのこと。
2011年3月という、忘れたくても忘れられない年月からスタートした「あいおい古本まつり」は、今年で5回目を数えた。いつもと変わらないように見えるこのイベントも、 運営する側からしてみれば実にいろいろなことがあって、試行錯誤の末の特別な5回目ということになる。それだけに、とても感慨深いものがある。
実はこの5回目というのは、このイベントにとっての大きな節目でもあった。なぜに節目なのか、その辺のことを少し書いておこうとおもったのだけれど、やめた。おもわせぶりなことを云うつもりもないのだけれど、とりあえず今はまだうまく整理がついていないので、これについては近いうちにまた。
さて、感慨深いといえば、こういうイベントを企画したりしてじぶんの夢に向かって歩いていると、必ずといっていいほど最高の出会いに巡り合う。そのとき出会っておかなくてはならないひとに(それに気づくのは出会ってからずっと後になってからの場合もあるけれど)、びっくりするくらい最高のタイミングで出会うのだ。つい先日まで、それは単に運がいいだけなのだとおもっていたのだけれど、このことばかりをじっと考えていたら、ただ運がいいだけではないようにおもえてきた。きっと、じぶんがそれを求めていたからこそ、その出会いに気づくことができたのではないだろうか、と。
ぼんやりとただ毎日を送っているときは、まったくといっていいほど出会いがない。というよりも、せっかく出会ったとしてもその幸運に気づくことができない。そんなふうに考えていたら、出会いというのは偶然に向こうからやってくるだけのものではなく、じぶんの中から生まれてくるものでもあるのかもしれないとおもえてきた。しっかりと夢をもって、実現するためにきちんと計画して、最後までやり通そうという強い気持ちを捨てないことが、人との出会いにもつながっているのだろうか。
出会いというのは、出会ったことだけでじぶんの中に大きな変化をもたらす場合もあれば、その後の付き合いによってジワジワとゆっくり存在感を増す場合もある。それは一冊の本との出会いにもよく似ている。それもこれもみんな縁だとおもうのだけれど、あんまりぼんやりしていれば指のあいだから零れ落ちる砂のように、静かに消えてなくなってしまう。はじめましての出会い、出会いからの出会い、今回も本当にたくさんの出会いがあったのだけれど、その出会いに意味をもたすことができるかどうか、そのためにじぶんがどう行動するのか、それが出会えたことに対する一番の感謝になるのだろうとおもっている。