ある日。
……きょう買った一冊の詩集より
ある日
会社をさぼった
あんまり天気が
よかったので
公園で
半日すごして
午後は
映画をみた
つまり人間らしくだな
生きたいんだよぼくは
なんて
おっさんが喋っていた
俳優なのだおっさんは
芸術家かもしれないのだおっさんは
ぼくにも かなしいものが すこしあって
それを女のなかにいれてしばらく
じっとしていたい
(「ある日」辻征夫 著/『かぜのひきかた』1987年 書肆山田)
この詩は、そうっとのっけておくのがいい。
ごちゃごちゃいわず。