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ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

NUU(ぬぅ)のこと。

今から10年以上も前に、なんとなく入った町の小さなCDショップで、なんとなく手にとって買ったCDが、NUU(ぬぅ)の1stアルバム「うたうの」だった。そこからずっと好きになり、どのアルバムもみんな買うようになった。彼女のアルバムには、大切な人のことを、もっと大切におもえる、おもいたくなる、そんな曲たちばかりが身を寄せ合って入っている。いまもここにいる、いまはもうここにいない、目を閉じたとき、そこにあなたにとって大切な人がいるのなら、きっと彼女のことを好きになるとおもう。いちど聴いたらぜったい好きになる。いちど会ったらもっと好きになる。一緒に聴いたらもっともっと好きになる、そんなひとだから。

唄波

唄波

NUUは、黒人音楽の研究者であるお父さんの影響もあって、小さな頃から身近なところに黒人音楽の流れる環境で育った。家にあったアレサ・フランクリンのLPを聴いて音楽のもつチカラを感じたと何かのインタビューで話していたけれど、アレサ・フランクリンとの出逢いから自分の中に眠っていた“オンガク”に目覚めるというあたりが、なんだかとっても彼女らしくていい。


あらゆるものを越えて伝わる、そういう目には見えないオンガクのチカラを信じ、彼女は大学生の頃より唄いはじめる。1998年には、雑誌に載っていたオーディションに応募してR&B系シンガーとしてデビュー。しかし、そこは自分の思い描いていたような“オンガクの場所”ではなかった。事務所や業界から求められるような、本当の自分ではない別の自分をつくることができず、理想と現実の間でずいぶんと悩んだらしい。こういう気持ち、よくわかる。


読んだり聞いたりの話なので、ちょっとズレているかもしれないけれど、今の彼女がライブでうっとりと気持ちよさそうに唄っている姿を見ていると、いずれにしてもようやく“自分のオンガクの場所”を見つけたんだろうなとおもえ、こっちまでうっとりと仕合せな気持ちになってしまう。そんなうっとりの波は、彼女が唄いだすとすぐにライブ会場ぜんたいに広がっていく。その広がりをダイレクトに肌で感じ、「これが“縫う(心と心を縫い合わせる)”ってことなのかもしれないな」なんておもっていると、もうすっかり一体感に包まれて虜になっている。

縫う

縫う

ほんわかしたやさしい声なのに、身体の真ん中あたりをグルグルグルッと通りぬけていく唄声はものすごく力づよい。もって生まれた才能と、小さな頃から身近なところにあった黒人音楽の影響、そして彼女自身のもつあたたかさを、その唄の中でひしひしと感じる。そんな唄声にぎゅっと心をつかまれてうっとりしているうちに、いつしか彼女から産みだされた唄の波にさらわれて誘われていることに気づく。どこへ向かっているのだろう…寄せては返す唄の波に揺られ、ぼくらは波間に小舟がたゆたうように、ゆっくりNUUという母胎へと帰っていく。


いちど聴いたらぜったい好きになる。いちど会ったらもっと好きになる。一緒に聴いたらもっともっと好きになる。


◆NUUライブ2013

【場 所】東京都中央区佃3-1-15「相生の里」8階(1階にて受付)
【日 時】9月8日(日)14:45開場 15:00〜17:00
【定 員】50名程度
【入場料】予約700円/当日1,000円(小学生以下無料)
【問合せ】℡:03-5548-2490 e-mail:sw@aioinosato.jp