ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

節目のだいじ。

今日は長男の入学式。いまだに寝小便はたれるし、すぐにグズグズ泣くし、甘えん坊だしで、年がら年中お小言をもらっている彼も、もう一年生である。


子をもつようになると、こういった節目節目が妙にうれしい。自分の時はめんどうだとしかおもったことがなかった行事ごとも、今ではおめでたいこと此の上ない。この心境の変化はどういうことなのかと考えてみると、大きく分けて二つの理由があるようにおもう。一つは事実上ぼくが三児の父になったということ。そしてもう一つは、多くの人を失いながら今日もぼくらは生きているのだということ。


入学式や卒業式、進級式だってそうなのだけれど、当たり前だとおもって迎えていたその日は、実はぜんぜん当たり前なんかじゃない、そんなふうにおもうようになった。ぼくが子どもの写真を撮っている、その様子を後ろで微笑みながら見ている老人は長年連れ添った奥さんを昨年末に亡くしている。入学おめでとうとメールをくれた友人の奥さんは、今年亡くなったばかりだ。そういったことこそが当たり前な日常そのものであり、そういう当たり前な日常と隣り合わせにぼくらは生きているのだ。あの日以降、毎月11日を迎える度に感じるあの感覚が、ぼくのなかの当たり前な日常というもののとらえ方を確かに変えた。


あまりあれこれ考えすぎると、せっかくの晴れの日が湿っぽくなる。わるいクセだ。だけど、今日という日がどれくらい特別な日であるのか、めいっぱい感謝しながら残りの半日を過ごしたいとおもう。


おめでとう、そして多謝。