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ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

昼の雨。

台風が近づいているとかで、朝からずっと雨が降り続いている。梅雨だというのにまるで雨が降らなかったことをおもえば、恵みの雨、ということになるのかもしれない。とにかくこんな日は、どこへも行かずに寝そべって、雨音を聞きながら本を読むにかぎる。

昼の雨
ちんたいした部屋
天井が低い
おれは
ねころんでゐて蠅をつかまへた
(「昼」 尾形亀之助 著/『 尾形亀之助詩集』1975年 思潮社

どうしようもないくらいに徹底してふらふらしたこの人の詩を読んでいると、胸のあたりがざわざわしてくる。そのうち、まいりました、ごめんなさい、と云いたくなる。いったいなんでそんなきもちになるのか、なんど読み返してみてもわからない。ぼんやりとした違和感やもどかしさばかりが残るのだけれど、そこがまた魅力的でもある。


昼の雨と読書の相性って最高だな。そんなことを考えながら、仰向けの胸の上に本を置いて天井を眺める。音の消えた世界に、また音が戻る。昼の雨音にまじって、ときどき近所の子どもたちの笑い声や小鳥の鳴く声が聞こえてくる。低い天井の下、ここは幸福と孤独のあいだ。世界はやっぱり広いな、とおもう。