ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

ココロをつかうオシゴト。

今年6歳になる娘が、ある日ぼくに向かってこんなことを言った。
「パパは、ココロをつかうオシゴトをしているんでしょ?」
ドキッとした。どこで「ココロをつかう」という言葉を覚えたのだろう。いやそんなことよりも、まだ幼い娘がぼくの仕事のことを「ココロをつかうオシゴト」と表現したことにドキッとし、心がふるえた。


娘のいうとおり、福祉サービスとは「ココロをつかうオシゴト」に他ならない。もちろん技術や知識も必要になるのだけれど、その根っこにはきちんと「ココロ」があって、ココロのこもっていないケアには本当の意味での「人を支えるチカラ」なんて備わっていない。
効率や利益が優先して求められたり、支える側が自分のことばかりを優先するようなら、そこにココロは存在しない。相手の気持ちや立場に寄り添い、自分自身が「元気の素」として相手に接しようとする気持ちこそが「ココロをつかうオシゴト」につながるのだとぼくは思っている。


毎日、退社時に「子どもたちがまだ眠っていませんように」と祈りつつ帰宅している。どんなに疲れていたって、辛いことがあったって、帰って子どもたちの元気な顔を見れば、たちまち自分も元気になれる。子どもたちの存在そのものが、ぼくにとっての「元気の素」なのだ。


そう、元気の素。


ぼくたち一人ひとりが「元気の素」というキモチをもって、相手に元気をプレゼントできるような存在になることができたら、きっと元気の輪はもっともっと広がっていくのだろう。ココロをつかって生きることができるのだろう。こんなの青くさいはなしだと笑われてしまうかもしれないけれど、娘が感じて言葉にしたこのキモチを、ぼくは大切にしていきたいと思う。「ちゃんとココロをつかっているからね」と、子どもたちに胸を張っていえるような生き方ができるように。