ハチドリのとまる場所。

大好きな本のこととか日々の考えなど、あれこれ。

ブコウスキーのこと。

はなったれだった頃、よくブコウスキーの小説を貪り読んでいた。 チャールズ・ブコウスキー。酔っぱらって、「くそったれ!」と悪態をつき、詩や小説を書いては、ファックする。読んでいると、ともかくバカバカしくて淋しくて少し苦い、なんともいえないへん…

こころが折れそうになったとき。

こんな仕事をしていると、将来のこと、というよりも老後のことをよく考える。 考えれば考えるほど、アカルイキモチではいられなくなる。「どうせ、みんないつかは死んでしまうのだから、好きなことやって、おもうように暮らしたほうがいい」なんて、年がら年…

波を切って漕ぎ続ける。

アメリカ文学の名作「グレート・ギャッツビー/スコット・フィッツジェラルド 著」を、ぼくは青い春の頃からずっと大好きでなんども読み返してきた。その魅力は中年となった今でも色褪せることなく、あいかわらず「なくてはならない大切な小説」として読み返…

古本いじり。

どうにも体調が戻りきらず、すっきりとした生活ができない。いちど出始めると止まらなくなる咳のために、ひどく身体が疲れている。そんなだから、酒もあまりおいしくない。少し控えているのでちょうどいいといえばちょうどいいのだけれど、控えめで貴重なそ…

仙台行き。

風邪をひいたところから持病の喘息が目を覚まし、ほとんど眠れないような日が何日か続いた。ただでさえ辛いのに、よりによってそのタイミングで仙台へ出張。ずっと楽しみにしていて、フリーの日を二日間作ってあれこれと計画していたのに、結局なにもできな…

モノに宿るココロ。

子どもが三人生まれ家族は五人となり、今のままではキュウクツになってきたので、クルマを買い換えることにした。さっそくクルマ屋さんへ行き、クルマの性能や価格のことなどについて丁寧に話を聞き、ずいぶんと時間はかかったのだけれど大体の目星がついた…

道標。

昨日から一泊だけして、おばあちゃんは帰っていった。 おばあちゃんと孫の一般的な関係の在り方というものがどんなものなのかよく分らないのだけれど、ぼくがおばあちゃん子であることを差し引いても、かなり特殊な関係にぼくらはあると思う。単純なルーツと…

溺れる虫。

むかし、ぼくは客のいない喫茶店を選んでよく通っていた。 客がいないというだけで、安くて不味いコーヒーがひどくうまく感じられた。よくわかりもしないのにJAZZを聴いたり、誰にも邪魔されず読書に集中できるのがよかった。そんな喫茶店の定位置で、買った…

佐藤泰志のこと。

三日くらい前から、佐藤泰志を読み返している。 周期的に読み返している作家、とつぜん思い出して読みたくなる作家というのがいる。べつにそうと決めているわけではないのだけれど、気がつくと何人かの作家がぼくの傍らにはいつもいる。ぼくは熱心ないわゆる…

本と愚か者。

無性に本が読みたくて、読みたくて、読みたくて、むむむむむ…という時がちょいちょいある。むやみやたらに読みたいからといって、むやみやたらになんでもいいというわけでもなく、溢れかえる本の前であれでもないこれでもないとチマナコになって悪戦苦闘した…

一病息災。

先日、職場で受けた定期健康診断の結果が返ってきた。赤字の数値が目立つ健康診断書の中の「総評」という欄を見て、おもわず椅子から転げ落ちそうになった。AからFまでの6段階評価で「E」とある。Eというのはどういう意味だろう?なんのメタファー?な…

あっという間のはなし。

あっという間に4月である。欠伸をしている間にもう4月。ついこの間まで蕾だった桜がもう咲いていて、しかも満開になっている。こんな調子でどんどん月日は流れていくのだから、きっと残りの人生だってあっという間なのかもしれない。じゃあ何か特別なこと…

福原希己江さんのライブ。

2012年3月25日 これで3回目となる、あいおい古本まつり。最終日の取りを飾ったのは、大好きな福原希己江さんのライブ。本当によかった。おもいきってお声かけしてよかった。めちゃくちゃよかった。お客さんからも、あいおいに住んでいるおばあちゃん…

古本まつりを終えて。

「あいおい古本まつり Vol,3」が無事終了いたしました。 ご来場いただきました皆さま、宣伝にご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました。 パシャパシャと写真を撮ってみたので、イベントのなんとなくな様子を簡単にキロクしておきます。 …

何気ない大事。

今月は本当によく庄野潤三を読んだ。先日もこのブログに書いたのだけれど、この人の書く小説は読むだけでほっこりと仕合せなキモチになれる作品ばかりなので、今月は特にそういうものを心が欲していたということだろうか。頭で考えてみる限りではよく分から…

iPadで古川緑波を読む。

一週間に一回以上は更新したいと思っているのだけれど、さして忙しいわけでもないのにバタバタしており、はたまたキモチがのってこなかったりで、ここのところブログの更新ができていない。ブログだけでなく、本と酒と家族のこと以外にあまりキモチが入らな…

意志を維持する。

直後と節目に寄せられる関心の半分でも その間の日常と復興に注げたら 創造はもっとすすむのかもしれない 「意志を維持する」 もっとも簡単で もっとも難しいこと だけど、だれにでもできること

庄野潤三という仕合わせ。

仕合わせは人に見せびらかすものではない。だけど人と共有することで増幅する仕合わせというのもあったりする。そこのところがとっても難しいのだけれど、他人と共有しようと思った仕合わせが逆に不快感を与えてしまうこともあって、空気を読み違えると時に…

年寄りの冷や水。

「年寄りの冷や水」ということわざがあるけれど、正確にその意味を云えるだろうか? 故事ことわざ辞典で調べてみると、以下のように書かれている。 ≪年寄りが強がって冷たい水を浴びたり飲んだりして無理をする言動。自分の年齢も考えずに無茶をすることは健…

ヒグラシ文庫にて。

はやま一箱古本市の実行委員で打ち合わせ、というか呑み会。どこがいいかねえ、という連絡に即答で「鎌倉のヒグラシ文庫さん」と返した。 葉山がきっかけではあるけれど、あまりそこだけにこだわらず、地元の湘南でブックイベントをやりたいよね、という同志…

本の殺し屋。

高円寺にある古本酒場コクテイルさんのブログを読んでいたら、こんなことが書いてあった。 ≪あまり知られていないが、古本屋ほど本を捨てる職業はいない。古本の即売会が終わると、ゴミ収集車が来て、そこに古本屋は本を投げ入れる。本は折曲がり、つぶされ…

手紙を届けに。

彼女は思いつめた様子で、ひたすらそこいらを歩いてまわる どこへ行きたいの? うん、お父さんが待っているから お父さんはもういないんだよ うん、あっちで待っているから そうじゃなくて… うん、いいの 彼女は寝食も惜しんで、ひたすら歩いてまわる どこへ…

軌跡を読み返せる奇跡。

このブログをはじめて今日でちょうど1年になる そして去年の今日のちょうど一ヵ月後に東日本は大震災に見舞われた 1ヶ月前のワクワク感 1ヵ月後の絶望感 今もまだ昨日のことのように憶えている そして書くたびに 「11日」を思いだす 特別な意味をもつ日…

言葉のもつ意味とチカラ。

人の目をとおして新たな発見をする。 本を読んでいると、思いもよらないような視点と洞察力にハッとさせられることが多々ある。たとえば写真家で作家の星野博美さんの本を読んでいると、一篇ごとにうちのめされてしまう。そんなところに着目して、しかもそん…

福原希己江さんのこと。

先日、うたうたいの福原希己江さんにお会いした。 いつも思うのだけれど、音楽や絵(写真)でコトバを発する人たちは、実際に会って話をすると、その人の中にその人の音楽や絵を見つけることができる。これは作品ありきでお会いするからであって、本当は音楽…

蟲文庫さんのこと。

ぼくは「本の本」が好きでよく読むのだけれど、とりわけ「古本の本」が好きで、出ればすぐに買ってくる。それはどんな内容の本なのかといえば、古本屋を開業するまでのエピソードやその後の苦労ばなしだったり、または三度の飯より古本が好きだという「古本…

しんどさの向こう側。

お腹の風邪をひいた、きのう。 それはそれは辛かったのだけれど、病院の薬を飲んだら半日ほどで好くなった。 さて、残された半日をどう過ごすか…もちろん読書に決まっている。 日中から堂々と蒲団に入って読書をするというのは、キモチの置きどころを探すの…

生きたい。

被災された方の手記をくり返し毎日読んでいる。ウェブで見るのも、2011年3月11日に起こった「日常」から「非日常」に変わっていく様ばかりだ。 原発や震災そのものについては、少し切り離して考えるようにしている。これらが切り離された問題だからと…

ココロをつかうオシゴト。

今年6歳になる娘が、ある日ぼくに向かってこんなことを言った。 「パパは、ココロをつかうオシゴトをしているんでしょ?」 ドキッとした。どこで「ココロをつかう」という言葉を覚えたのだろう。いやそんなことよりも、まだ幼い娘がぼくの仕事のことを「コ…

立ち止まって考える。

あれから10ヶ月。 あと2ヶ月で1年になる。 それがなにを意味するのか、ぼくにはよく分っていない。 時の経つのは速いのか、それともゆっくりなのか。 それすらもよく分らない。 それがなぜなのか言葉にできないのだけれど、 ここのところなんとなく不安…